冒険の書

第1章その3 基本の技

革職人の職業

こうし
こうし
では、技の基本の前に、レザークラフト職人の職業について説明するわ。

10人ぐらい座れる小さな聖堂で、その講義は始まった。講師は、立派な髭のある、おねぇ口調のおじさんだった。

こうし
こうし
まずは、タンナーね。あたしも元タンナーよ。それから、皆さんがこれから目指そうしているクラフターちゃん、それから・・・

講師によると、革の職業には、次の4つの職業があるらしい。
タンナー
クラフター
サンプル師
シューメーカー

こうし
こうし
サンプル師は、高度な「型紙」作りの技と「型神」に昇華させるパワーを持つ人ね。ここにも何人かいるし、教会出身が多いわね。

型神(紙)があれば、同じ良質な製品を大量に作ることができるから、サンプル師と呼ばれており、革やレザークラフト全体を熟知していないと、高品質な型神は作れないとのこと。

こうし
こうし
シューメーカーは、革靴専門のくらふたーね。靴はカバンや財布とはいろいろ違うので、専門の技が必要なの。

(‥靴もいつかは作ってみたい。)れざおは、なかなか良い靴に出会えてなかったのを思い出した。

こうし
こうし
で、今日の本題は、くらふたーちゃんだけど、くらふたーにも、いろんなタイプがいるのよ。知ってるわよねぇ?

れざお以外に3人いたが、皆うなずいていた。ここでは有名らしい。

こうし
こうし
そう。まずは、縫い型の違いで、2タイプいるの。

1つは、とにかく手だけで一針づつ縫い続ける、武闘家タイプの「手縫い士」

もう1つは、ミシンと呼ばれる「魔縫(まほう)」を使って、あっという間に縫い上げる「魔縫使い」、別名「ミシン使い」ね。

ミシンの魔縫は聞いたことがあった。祖国にはびこるゴーセー族は、ミシン魔縫で、大量のゴーヒ製品を作りバラまいていたからだ。

こうし
こうし
手縫いの方が、仕上がりが強くて丈夫な場合が多いわ。でも、大きなカバンを作る時とかは、ミシン魔縫がないと、ちょー大変よ。パーティーには一人欲しいとこね。

手縫い士目指すけど、ミシン使いの仲間は欲しいなと思えた。

こうし
こうし
どちらかしかなれないわけじゃなくて、両方できるくらふたーもいっぱいいるわ。でも、手縫いの味わいにこだわって、手縫いをだけ極めるというのもありよ。

早く手縫いをやってみたい。そろそろ技を教えて欲しかった。

こうし
こうし
手縫い以外も、「カーヴァー」と呼ばれてる革の装飾を極めるタイプもいるわ。そのあたりは、少し上級者向けなので、また今度ね。

(カーヴァー?・・・もしかしてあのカービング王家の刻印と関係あるのか・・・)
れざおは詳しく聞きたがったか、いよいよ技の講習に入るようだった。

基本の技

こうし
こうし
では、くらふたーの基本の技に入るわね。このテキストの20ページ目を見てちょうーだい

やっと、クラフトを実践できるかと思っていたが、完全に座学で終わってしまった。教会では、レザーは召喚できないらしい。

こうし
こうし
‥以上が、基本の技ね。では、コース修了証と、Lv2までの好きな型神を発行するので、奥の部屋で受け取ってね。

れざお達は順番に部屋に入り、欲しかったものを神父より手渡された。

れざおは、「三つ折キーケース」の型神を手に入れた!

第1章その4に続く

第1章その4 必要な道具初心者向けキット 初めて型神を手に入れたれざおだったが、さっきの基本の技講座からすると、ぜんぜん装備や道具が足りてないことが明らかだっ...